日本の秋を象徴する花の一つ彼岸花は、夏の終わりから秋の始めにかけて葉も枝もない花茎が地上に突出し、先端に複数の花を付けます。群生を楽しむ花でもあり、一斉に開花する様は見応えがあります。県内では、巾着田(日高市)が有名ですが、5年ほど前から権現堂堤(幸手市)も人気を博します。

彼岸花は、もともと日本にはえていた植物ではなく中国から渡来したそうです。‘彼岸花’という名前や、墓地に咲く花という印象からマイナスイメージで見られることもありますが、色も形状も美しい花を咲かせてくれます。花色は燃えるような赤が一般的ですが、清楚なシロバナヒガンバナも見かけます。

花の時期に花茎だけをあげて咲き、花後に葉を伸ばす独特な育ち方をする彼岸花ですが、秋に咲いて春に枯れるという通常の草花とは逆の生態をもっています。その、葉と花を一緒に見ることがない性質から「葉見ず花見ず」と呼ばれ、昔の人は恐れをなして、死人花や地獄花などと呼ぶこともありました。一名の「曼珠沙華」は、山口百恵さんの曲のタイトルになっており、天上に咲く赤い花という意味を持ち、良い事がある前兆とも言われます。

市内でも彼岸花はあちこちに見られましたが、なんといっても興禅院(安行領家401)裏手の、十三仏をまつる斜面林の彼岸花は別格。満開は過ぎましたが、趣のある景色を楽しめます。

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