竹林が主な住処のセミが、市内北東部に発生しています。

赤山陣屋跡の西堀。田中さんに案内してもらい9月7日現地へ。頭上で鳴くのは「グォーン」といううな低い唸りにも、工場の機械音にも聞こえる竹セミの声

 「初めて聞いたのは、6~7年前の夏の夕刻。場所は自宅の裏手の木の上から聞こえてきて、何とも不気味な声だった。声の方角を探したが、薄暗い時間帯でもあって見つけることはできなかった」と、話すのは田中勝彦さん。NPO法人赤山陣屋の会の理事長でもあり、自宅は赤山陣屋跡の側にあります。「木の上から聞こえるし、セミかもしれないが、風邪を引いたとしか思えない低く不気味な声だった」とも。

 翌年も同じ時期に‘唸るセミ’の声を聞き、3年を経た夏頃からは、個体が一気に増えたのではないかと思ううるささだったと田中さん。

 その不気味な鳴き声のことを聞きつけた昆虫研究家等が実態調査に入たのが4年前。正体は、セミだと分かりました。後に学会誌でも発表されましたが‘唸る不気味な声’の正体は中国大陸が原産のタケオオツクツクといい、別名を竹セミと呼ぶもの。

 竹セミは、幼虫は竹の地下茎から汁を吸って成長するそうで、中国では害虫といわれるそうですが、成虫は5㌢㍍ほどあり、セミの仲間では最大。姿も声も日本のミンミンゼミやアブラゼミよりもはるかに大きい外来種。日本のセミとは違い、竹林が生活の基盤ですが、それもかなり高所で夕暮れが活動の時間帯のため、姿を見つけることは難しく、田中さんによると「実物を見たのは負傷した竹セミ。大型ですが全体が黒っぽいため、夕暮れで鳴いている竹セミを見つけるのはかなり難しいのではとその時感じた」。

 竹セミが鳴く期間は約2ヵ月間。7月中旬が鳴き始めで、鳴き納めは9月中頃とのこと。面白いのは、時計のように鳴く時間がはっきりしており、夏の日が高い期間は18時から19時頃まで、日暮れが早くなると17時半から18時半頃まで毎夕鳴き続けるそうです。去年と今年は特に多く感じると田中さん。陣屋跡の西堀や東堀はたくさんの竹が生い茂る場所。取材の日、そこから多く聞こえていました。

(Visited 22 times, 1 visits today)
0