【安行庵(安行吉蔵306)】

 

植木や花などで賑わう道の駅「川口・あんぎょう」。国道298号線を挟み反対側には、町名を安行吉蔵と呼ぶ住宅地が広がります。

かつて一帯は中山家の敷地であり、中山家は安行村村長を務めた名家です。

現在当家は八代目の中山育之さん。広さ1200坪の敷地に、奥さんの純子さんとともに500種以上の薔薇を栽培します。

その庭園の傍らには、黑色に近い伊豆根府川石に刻まれた夏目漱石の句碑が建ちます。

「藪蔭や 魚も動かす 秋の水」

句碑の裏には「夏目漱石先生 明治の中葉三十年前後の秋の頃に来遊す。(中略)句碑を建て長く記念す」と。

現当主によると、育之さんの祖父や叔父らは柳家、麦圃、稲青の俳号を持つ歌人。正岡子規や高浜虚子ら文人とも交友があり、彼らは“安行庵”と呼んでしばしば中山家を訪れていました。夏目漱石もその中の一人であり、安行庵で前記の句が詠まれ短冊に残して行きました。当家では、漱石の足跡を残したいと、その短冊を基に句碑を建立したのです。

 

▽文武両道が家風

中山家は市内屈指の旧家であり、文武に長けた家柄でもあるのです。代々当主はその意を守り、学問を志す人の後ろ盾になってきました。

八代目育之さんもその一人。高校や大学を志す経済的に困難な学生の育英を続けています。

 

安行庵は自由に見学ができ、俳句やガーデニングに関心のある方などが一年を通して訪れています。

 

 

 

 

 

 

(Visited 198 times, 1 visits today)
0