かつて市内の水田地帯は米穀が主流でしたが、低地の湿地帯には慈姑や蓮根が栽培されていました。特に慈姑は大きな芽が吉兆として重宝され、大消費地東京の近郊にあったことや保存の技術があったこと等から、平柳領家や芝、十二月田、新郷、安行等で栽培されました。慈姑栽培の要になったのが種子の保存。川口市域は、穴を掘っても水がわき出ない洪積台地に恵まれ、横穴や竪穴を掘って室を作ることで種子を保存しました。室の利用は、早出しや季節を問わずにほぼ一年中出荷できることとなり、里芋やウド、生姜などのように、日光が当たるのをさえぎって栽培する軟化物の産地として有名になっていきます。

八ツ頭は12月頃に旬を迎えます

 慈姑は含め煮として祝い膳等に使われますが、八ツ頭の含め煮も祝い膳には登場します。末広がりの八と、子孫繁栄、人の頭になるようにという縁起物でおせち料理に使われます。子芋が分球しないので親子もろとも一つの塊になり、頭が八つにみえることから名づけられたともいいますが、市内で生産される野菜の一つです。ただ、凹凸があって皮を剥きにくいのが難点ですが、ほくほくと仕上がる含め煮は何ともおいしく、箸が止まりません。新井宿駅周辺で行われた豊年祭りの会場には、八ツ頭をチップスにするアイデアが登場したこともあります。近年になり、その剥きにくさを解決したのが丸系の八ツ頭。見沼たんぼ近くで突然変異の丸型の八ツ頭が発見され、県は開発に取り組んだそうです。

 八ツ頭の旬は12月頃、店頭で出会えない時は晩秋を待ちましょう。

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